堺をゆっくり歩くための本──『堺を歩けば。』を開いてみた
堺を歩けば。制作委員会 編
巣鴨の夜、
ミランのカウンターでふっと手に取った『堺を歩けば。』。
この本を開くと、
まず流れてくるのは “堺という街の落ち着いた呼吸” だった。
古い建物、町工場の残り香、
昔ながらの商店街に残る生活の湿度。
観光地を押しつける本ではなく、
“暮らしの層” を丁寧に拾い集めた一冊。
大阪の中心でもなく、
観光の派手さを持つ街でもない。
でもこの本を読むと、
堺には静かで深い魅力がずっと息づいていることが、
じんわり伝わってくる。
堺の“働く街”としての顔がよく見える
本の中で紹介される名所や工房は、
華やかというより、
“地に足のついた営み” が残っている場所ばかり。
刃物。
自転車。
金属の工場跡。
古い町家。
南蛮文化の残り香。
堺の歴史は大きいけれど、
この本が切り取っているのは “人の気配の残る堺”。
ページをめくるほど、
その空気の重なりが静かに沁みてくる。
少しだけ、個人的な話をするなら
僕自身は浜寺の方の出身やから、
堺の名前を見ると、
“地元の空気の延長線” みたいな親しみがある。
とはいえ、
この本は堺の深部に焦点を当てていて、
浜寺の話が出てくるわけやない。
ただ、
堺独特のあの“潮と生活の混じった匂い”を読むと、
地元の風景がふっと重なって見える。
たぶん土地の近さからくる感覚なんやろう。
でも中心にあるのはあくまで堺。
そこがこの本の良いところ。
歴史の説明ではなく“街の温度”が伝わる
たとえば、
工場の外壁の錆びた色、
手書きの看板、
昔からやってる喫茶店のメニュー。
「堺ってこういう街なんやな」
という温度が、
写真と文章から静かに立ち上がってくる。
観光本では味わえへん、
“住んでいる人の時間” が感じられるのがええ。
堺を歩くきっかけになる本
正直、この一冊を読んだだけで
堺のすべてがわかるわけやない。
でも、
街を歩きたくなる。
知らない路地に入りたくなる。
工房の音を聞きたくなる。
そんな“背中を軽く押す力” がある本。
堺のことを深く知りたい人にも、
大阪の別の顔に触れたい人にも、
静かな旅が好きな人にも、
ちょうどいい。
巣鴨の夜に読むと、
関東と関西の距離が少しだけ縮まる。
🍷 今日の読書のお供(Amazonアフィリエイト)
※リンクはあとで差し替えてください。
・堺の歴史がわかる入門書
【Amazonリンク】
・町歩きにぴったりの軽量ショルダー
【Amazonリンク】
・軽い飲み心地のスペイン赤(散歩帰りに)
【Amazonリンク】
・読書用のあたたかい色味のライト
【Amazonリンク】
Text by Bob MyLan
巣鴨のワインバー店主より
