雲を追い払う白──TENTENUBLO V.L.A.V. 2017
Rioja / Roberto Oliván / Blanco / 5,120本限定 巣鴨のミランのカウンターで一本の白を開けた夜。 ラベルには、雲を追い払うように走る黒いキャラクター。 なんとも言えんユルさと、スペイン […]
堺をゆっくり歩くための本──『堺を歩けば。』を開いてみた
堺を歩けば。制作委員会 編 巣鴨の夜、 ミランのカウンターでふっと手に取った『堺を歩けば。』。 この本を開くと、 まず流れてくるのは “堺という街の落ち着いた呼吸” だった。 古い建物、町工場の残り香、 昔ながらの商店街 […]
墓石みたいな夜に──Tombstone Blues と巣鴨の風
Bob Dylan / Highway 61 Revisited (1965) 1965年のアメリカは、 ベトナム戦争、黒人差別、学生運動、政治の混乱…… 国全体が“熱を持った深夜”みたいな時代やった。 ディランはその年 […]
崩れんといてほしい夜──Don’t Fall Apart On Me Tonight と巣鴨の深夜
Bob Dylan / Infidels (1983) 「Just a minute before you leave, girl…」歌は、その一言でいきなり胸の奥を掴んでくる。あと一分だけでもいいから、ここに残ってほし […]
風の細道を歩くワイン──JOSEP FORASTER “TREPAT” 2023
巣鴨の夜、ミランのカウンターに一本の赤が立った。 JOSEP FORASTER の “TREPAT”。 ラベルの白さが、店の灯りに静かに浮かび上がる。 トレパット── カタルーニャのコンカ・デ・バルベラにだけ息づく、 ほ […]
働く夜に灯る歌──Workingman’s Blues #2 と巣鴨の風
Bob Dylan / Modern Times (2006) 2006年、ディランは65歳。アメリカは戦争のただ中で揺れ、景気は不安定、格差は広がり、“働く人間の歌” がどこかに置いてけぼりになっていた時代や。 そんな […]
本当の君を見てしまった夜
Bob Dylan “Seeing the Real You at Last” 1985年、アルバム『Empire Burlesque』。 ディランはもう若くない。 派手な時代の波の中で、 それでもひとりの男として、 静 […]
NVDE SBL 2022 — クリスタルの呼吸を聴くワイン
醸造というより、呼吸 ぶどうはオーガニック認証(CCPAE)を受けた0.4 haの小さな区画から。標高288 m、石灰質の白い土。2022年8月16日に手摘みされ、静かな旅が始まる。 発酵は77 %をステンレスタンク、2 […]
この焦げが、魚のスープを美味しくする。
スープ・ド・ポワソンの話 スープ・ド・ポワソンの仕込みは、毎回ちょっとした祈りに似ている。 鍋の底で、魚と時間が焦げていく。あの香ばしい匂いは、海がもう一度息をする音みたいだ。 焦がした瞬間にしか出ない香りがある。焦がす […]

